AWSの学習を始めると、必ず最初に出会うのが「Amazon EC2」です。AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)試験でも最頻出のテーマですが、単にサーバーを立てるだけでは不十分です。本記事では、試験で問われる「設計思想」と、実務で不可欠な「セキュリティのベストプラクティス」を軸に解説します。
EC2インスタンスとは何か?
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、AWSが提供する仮想サーバーサービスです。物理的なハードウェアを購入・管理することなく、クラウド上の計算リソースを「インスタンス」という単位で素早く起動できます。
ここで重要なのが「責任共有モデル」です。AWSは物理インフラを保護しますが、OSのアップデートやファイアウォール設定はユーザーの責任です。SAA試験でも、「どこまでがユーザーの責任か?」という視点は常に問われます。
EC2インスタンスの種類について比較
EC2には用途に合わせた「ファミリー」が存在します。ファミリー毎に用途が決められており、以下の表にまとめてみました。
用途ごとに適切なインスタンスを選択することが重要です。
| 分類 | ファミリー | 特徴 |
|---|---|---|
| 汎用 | M系, T系 | バランス型。Webサーバーや開発環境に最適。 |
| コンピューティング最適化 | C系 | CPU性能が高い。バッチ処理や科学計算向け。 |
| メモリ最適化 | R系 | 大容量メモリ。データベースやリアルタイム分析向け。 |
| ストレージ最適化 | I系, D系 | 高速な読み書き。大規模ログ処理やDWH向け。 |
| 高速コンピューティング | P系, G系 | 機械学習や3Dなど、高スペックが必要な処理向け。 |
EC2インスタンスの料金体系
コスト効率の最大化はSAA試験の肝です。主に以下の3つの支払いオプションがあります。
- オンデマンドインスタンス:予約なしの従量課金。最も柔軟ですが単価は高めです。
- リザーブドインスタンス (RI) / Savings Plans:1年または3年の長期契約。継続的な利用で最大72%程度の割引が得られます。
- スポットインスタンス:AWSの余剰リソースを最大90%引きで利用。ただし、AWSの都合で突然中断されるリスクがあります。
それぞれの料金を選ぶ判断基準
では、EC2を選ぶ時に「どの料金プランが最適か?」という問いに対する判断基準は以下の通りです。
- オンデマンド:負荷が予測できない新規アプリの初期段階や、短期間の検証作業。
- リザーブド / Savings Plans:24時間365日稼働し続ける本番環境のWebサーバーやデータベース。
- スポット:中断されても最初からやり直せば良いバッチ処理、分散型テスト、ステートレスなワークロード。
EC2インスタンスでできること・できないこと
自由度の高いEC2だからこそ、できることとできないことについても確認しておきましょう。
マネージドサービスとの境界線を理解しておく必要があります。
- できること:OSの管理者権限を持ち、任意のミドルウェアやセキュリティソフトを導入できます。独自のカーネル設定も可能です。
- できないこと:物理層への直接アクセス、基盤となるハードウェアのメンテナンス。また、オートスケーリングやバックアップの「設定」は自分で行う必要があります(全自動ではありません)。
EC2インスタンスを利用する上での気を付けるポイント(セキュリティの観点)
最後に、SAAでも実務でも最も重要な「安全確保」のポイントです。
- プライベートサブネット内での利用
特別な理由がない限り、EC2をインターネットに直接さらしてはいけません。DBやアプリサーバーはプライベートサブネットに配置し、インターネットからの入り口は「ALB(Application Load Balancer)」のみに絞ることで、攻撃の表面積を最小限にします。 - セキュリティグループの設定は「最小権限」
- 必要最低限のルールのみ許可にしましょう。特定のIPアドレスや、特定のセキュリティグループからの通信のみを許可する設定が鉄則です。
- IAMロールによる認証(アクセスキーの排除)
インスタンス内にアクセスキーを保存するのは極めて危険です。EC2にIAMロールを付与し、プログラムが一時的な認証情報を自動的に利用できるように設計しましょう。これが「実務で事故を起こさない」最大の秘訣です。
まとめ
EC2は非常に便利で色んなことに利用できますが、その真価は「正しく安全に設計されたとき」に発揮されます。SAA試験対策としても、今回紹介した「適切なインスタンス選び」「コスト最適化」「ネットワーク隔離」は必須知識です。
また、SAA試験ではEC2を選択させる選択肢より専用に設計された仕組みが答えになることも多いので、それも頭に入れておくと試験がときやすくなるかもしれませんね!


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